西暦2000年になる瞬間、東京の街を滑る感動。
イルミネーションが輝く東京の夜を滑る、13名のsk8erたち。
勇者の集いか、ヒマ人の集まりか、ただの無謀な集団か。
この13名の中で最もヘナチョコでトホホな私がお送りする、体験談です。
あれは12月のはじめのことだと思います。あるBBSでこの話が持ち上がりました。「Tokyo Millennium Night Skate」略して「ミレニアムナイスケ」、もっと略して「ミレスケ」です。年末年始は東京にいるし、夜間に滑るのは何回か経験しているし、まあ大丈夫か、といった具合で、無謀にも私は早々と参加表明してしまいました。しかし、参加表明者はなかなか現われず、計画で終わるか?といった矢先に、柴又在住のイギリス人、Kieronさんからの参加表明がメールであったようで、めでたく開催決定となりました。12月27日の時点では参加表明者は8名でしたが、フタを開けてみたらビックリ!総勢13名のsk8erたちが、1999年12月31日〜2000年1月1日の東京の街中を滑りました。
予定ルートは以下の通りです。
京成上野駅〜秋葉原〜銀座4丁目(ここで西暦2000年になった瞬間を迎える)〜丸の内(東京ミレナリオの見物)〜半蔵門〜新宿。
◆上野〜銀座〜新宿の地図(Mapion)
1999年12月31日、午後10時40分、私は、行きの電車の中で心臓の鼓動を押さえることができなかった。こんなにワクワクしたのは何年ぶりだろうか。ひさしぶりに仲間と会うことと、東京の夜を滑ることと、2000年を迎えることの期待感が交錯していた。京成上野駅前、西郷像前の階段にはすでに何名かの同志が集まっていた。主催者(?)majiさんから2000年記念のクラッカーを、nam_beさんから「真夜中のお菓子」を頂いた。thanks. 真夜中のお菓子をいただき、準備をしている間も心臓は高鳴りしっぱなしであった。
午後11時15分、12名のsk8erは上野を出発。日中のCity Runと同じコースを南に向かって滑った。夜間、目立つために各自が身に着けた赤いフラッシュランプが、流れるように点滅している。傍から見れば我々は何に見えるのだろうか。光り物を身につけたカッコイイsk8erの群れか、謎のsk8暴走族か、単なる変態の集団か。東京の夜道は意外と滑りやすかった。まず、交通量が少ない。街灯が完備しているので路面の状況も見える。やがて、先頭集団が車道に出た。続いて、私も果敢に車道を滑ってみた。凹凸が少なく、歩道よりも滑りやすい。秋葉原の駅前広場で1回目の休憩をとった。駅前広場はホッケーやスケボーをしている人もいて、このあたりは普段の夜とあまり変わらないようだ。
我々は中央通りを再び南下した。万世橋のあたりで警官に
「こらぁ!!ここを滑っていいと思ってるのかよぉ!!この野郎!!」
手錠でもかけそうな勢いで怒鳴られた。立ち止まれば、sk8を脱がされるどころか署まで連行されかねない雰囲気であった。全力疾走で逃げるしかなかった。我々は万世橋を越えて、中央通りを進む。が、また前方に警官の姿が。我々は脇道に入った。そして、警官を避けるように裏道を進んだ。ほとんど鬼ごっこか隠れんぼ状態であった。交差点の表示はいつの間にか「大和橋」、そろそろ方向転換しなければ銀座はますます遠くなるので昭和通りまで戻った。そこで婦人警官に見つかってしまった。またもやピンチ!
しかし、この婦人警官(けっこう美人)は先程の警官と違って理解あった。「どこへ行くの?」「まず銀座に行って、それからミレナリオを見る。」「気をつけてね。」って具合であった。一同ホッとした。この先も主なる交差点には警官がいる。警官から逃げ回っていたら銀座4丁目に着かない。意を決して中央通りへ戻ることにした。幸い、この先では警官のお咎めはなかった。我々は銀座4丁目へ向かってひたすら滑った。1999年から2000年になった瞬間をそこで迎えるために。しかし、人の多いところではスピードを落とさなければならない。事故を起こしたら元も子も無い。三越前のあたりから人が増えてきた。日本橋では何か祭りが行われており、高島屋のハッピを来た人が大勢いた。時刻は11時55分。銀座はきびしいか。結局我々は、日本橋〜京橋で西暦2000年の時を迎えた。正確な場所を忘れてしまい、ごめんなさい。ここでクラッカーを鳴らし、新年のお祝い。結局、銀座には0時5分ごろ到着したが、やはり人ごみがすごかったので、最初の目的地であった銀座4丁目交差点までは行かないこととした。
我々は銀座4丁目の手前で引き返し、銀座松屋の交差点から有楽町方面に移動。東京駅丸の内口で、途中参加のせちさんと合流するためである。へ向かった。ミレナリオの見物に向かう人ごみをかきわけながら新丸ビル前に到着、ここでせちさんと合流した。ミレナリオの点灯開始時刻、午前1時までにはまだ余裕があるので我々は東京国際フォーラムまで移動した。写真は東京駅前を滑走するsk8erたちである。
東京国際フォーラム内はローラースケート禁止のため、ここで一旦sk8を脱いだ。フォーラム内の「光の彫刻」がきれいであった。ここも相変わらず人が多いが、混雑というほどではなかった。フォーラム内の大画面テレビでは、Y2K問題で予想されていた混乱がほとんど起きなかったことを放送していた。
ミレナリオの点灯開始時刻が近づいてきたので、我々はミレナリオ会場の丸の内仲通まで移動した。ミレナリオの中を歩こうという人は東京駅前から並んでおり、すごい混雑である。そのため、我々はミレナリオの中間付近に陣取った。幸い、この近辺はそれほど混雑しておらず、ミレナリオ点灯の瞬間を思う存分満喫できた。
ミレナリオ見物後、iwaさんが離脱。残る12名は、丸の内〜日比谷〜半蔵門〜新宿のルートで新宿に向かった。途中は相変わらず警官が多かったが、特に呼び止められることはなかった。しかし、みんな速いこと速いこと。スピードと上り坂と石畳で足に疲れが出る。麹町までの区間はかなりしんどかった。麹町を出て、四谷を過ぎたあたりから再び人が多くなる。新宿駅東口には午前2時過ぎに到着。新宿は相変わらず人が多い。ここで残りのクラッカーを鳴らし、「Hapy new year!!」と馬鹿騒ぎしているニイチャンの祝福を受け、13名のsk8erたちはMillennium Night Skateを無事終了できた。
ちょっと残念だったのは、正確に「インラインスケートだ」と声をかけてくれた人が少なく、大抵が「ローラースケート」「ローラーブレード」「光ゲンジ」のいずれかで、中にはストーリーキングでも見る目で我々を見ていた人もいたことである。インラインスケートの社会的認知度をもっと上げねば…。
このイベントを企画してくださったmajiさんをはじめ、いっしょに滑った他12名のsk8erの皆様、どうもありがとうございました。今年も良い1年でありますように。
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